07.28 大大阪 (1926.2) 後藤新平「大阪市民諸君に望む」 

daiosaka192602-01.jpg大大阪 第2巻第2号

1926(大正15年)2月
■注目記事
 ・後藤新平「大阪市民諸君に望む」
 ・「大大阪が怎う映つたか」
 ・「都会は招く―娘の家出」
 ・学区財産について(市政ニュース)

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この号では、他の都市から見た大大阪について、語られています

1.後藤新平「大阪市民諸君に望む」

この記事は、大丸呉服店にて行われた「ロシヤ展覧会
」に招待され来阪した後藤新平が、大大阪の記者に語ったものである。ちなみに後藤は親ソ派だったんですね。

日本のみならず、東洋を代表する大都市となった「大大阪」であるが、まだまだ、形態を整えた段階であって、内容の充実はこれからであるという後藤。「議論家ではなく実行家」であり「理屈を抜きにして物事に真剣になり得る市会議員や有力な市民の多い大阪のことであるから驚くべき膨大な地域に亘る都市計画事業も必ずや理想通りに完成されることと信じて疑わない」と期待を寄せている。

そして、後藤は、帝都復興事業を引き合いに出す。関東大震災後、内務大臣兼帝都復興院総裁として震災復興計画を立てた後藤であったが、復興計画に30億円という、当時の国家予算2年分にもおよぶ費用の要求に対し、財界などの猛反対にあって、結局10分の1近くに削減された(3億4000万)。

また、当時の東京市会は汚職が蔓延し、かなり腐敗していた。しかも執行機関に対する影響力が相当強く、後藤も東京市長時代には、市会からの突き上げに悩まされていた。

そして、後藤はこんなことを言う

「天の与へたる教訓は忘れられて終つて帝都復興事業の如き何時の日に完成を見るかさへ知れないやうな始末になつて居る、これは必ずしも東京市民のみが負う罪ではないが市会議員の不熱心がこれらの事業を遅々たらしめて居ることは事実である」

ある種「恨み節」ともとれる発言が面白い。官僚、市会、財界、そして市民(=有力者)の一致団結の協働こそは、大都市計画の実現のために必須の条件であると、後藤新平は主張するのでした。

ちなみに、この号には、娘婿の鶴見祐輔が「都市改造の諸問題」という論考を掲載している。

2.東京の眼と名古屋の眼に大大阪が怎う映つたか

さて、今度は他の大都市の市会議員の眼から、大大阪がどのように映ったかを記した記事です。1926(大正15)年1月中旬に前後して大阪にやってきた名古屋市議会議員6名、東京市議会議員11名は、主に大阪市の交通機関の視察を目的としていたんですが、ついでその他の社会施設等も見て回ったらしい。特に東京市議会議員一行は「大大阪を参考とする外途がありません」というような姿勢だった。

まずは名古屋市議一行の感想を見てみよう

名古屋市議が関心しているのは、市電職員の統制ぶりである。局長以下の職員が「大家族的に教化宜しきを得」ているとしている。局内に在郷軍人団を設けたりなど、精神修養に力を入れており、結果、青年車掌らの乗客に対する接客マナーは親切であると讃えている。

また、従業員に電車に関する論文を書かせ、優秀なものは、市電改善の資料にすると共に、人材登用の一端にしたいとする方針にも、感心を寄せている。市電経営に関しては、短所は見つからなかったと、満点の評価を与えてるのでした。

ただ、大阪市の区画整理については苦言を付している。昨年に市域拡張して以降、市内周辺部の区画整理が急がれるが、進んでいない。大都市の膨張が予想される以上、急を要する問題であるのに。この点、名古屋は郊外の地主間で組合が持たれ、整然と区画整理が行われ、市はそれに応じて費用を出すのみという形で、非常に巧妙な手段であると誇っている。ちなみに大阪市の区画整理は、日中戦争のころになってもまだ完了していないという有様であった。

次に、東京市議一行の感想

「御同様に行詰りの市電と市財政」と冒頭で述べている。市域拡張を断行し東洋一の商工都市「大大阪」が誕生したわけだが、難問は山積である。すなわち、第一に特別市制問題。府からの統制から解放され、自治都市としての完成を目指すための必要条件である。第二に、区画整理。新市域の区画整理と並行して、統一的で効率的な市政運営を目指し、旧市域の区画再編も行わなければならない。お互い大変ですね、と。

市電に関しては、高速度交通機関の問題を挙げる。東京がすでに都市計画地方委員会の諮問を終えて近く実施の運びをむかえているのに対し、大阪市はいまだ市民の反対が大きく実施段階に踏み込めていない。で、お先に失礼、と。しかし、お互い共有の悩みのタネもあって、それは財政面であるが、これはもう行き詰ってどうしようもない。緊縮方針や賃金体系の見直しなど、工夫が必要ですねと、ため息まじりに言っている。

ここで話題になっている高速鉄道っていうのは、市内を高架や地下で縦断横断する電車のことで、路面電車の行き詰まりを打開するための、一大事業であった。それで、この高速鉄道計画なんだが、非常に大規模で驚きます。それはまた、別の機会に。

今回は、他の都市の人々からみた大大阪に注目しました。

[ 2007/07/30 00:19 ] 大大阪 1926(T15.S1)年 | TB(1) | CM(0)

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大阪大阪(おおさか、おおざか)は、日本の地名。全国に見られるが、近畿地方の大阪(おおさか)がもっとも著名である。また、地名から転じて姓にも用いられる。近畿地方の大阪は、大阪市と、大阪市を府庁所在地とする大阪府が存在する地域を指す地域名称である。またさらに
[2007/08/01 10:55] URL 大阪探索どっとこむ

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